BETTERDAYZ

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小学校時代 恐怖のイモ戦争

小学校も高学年となると何かと色々事件があったが
投稿テーマの“恐怖のイモ戦争”とはなんぞやという話し

小学校4・5年生の頃だったか
私の家の隣りは空地だったのだが、そこには地面から少し掘り下げられた窪地があった。
ある日、この窪地を利用して皆で基地を作ろうという話になった。

基地と言ってもスチール製のトタンとプラスチック製のトタンを拾ってきて
窪地を少し掘り下げてからトタンを被せただけの超簡易施設である。
ちょっと記憶が薄いのだが中のスペースは座れば広く湿気と土の匂いを除けば快適だったと思う。

子供心に現実世界とは隔絶された大人の知らない秘密の場所はメチャクチャ刺激的だった。
学校から帰るとおやつを持ち寄り、基地の中で漫画を読んだり話をしたりと
秘密めいたワクワク感を友人達と共有していたと思う。

この楽しい基地での生活も長くは続かなかった。
しだいに平和な基地内での遊びに退屈になり刺激を求めたのが間違いだったのかもしれない。

ある日
基地の周りの雑草を何気に引っこ抜くと根のところにイモ状の球根なのか実だったのかわからないが
とにかくイモが沢山付いていて、それを箱いっぱいにみんなで貯めてから悲劇は始まる。
何を思ったのか唐突に仲間の誰かが「戦争するべ」と言い出した。
「へっ、戦争?」と理解出来ずにいると、いきなりそいつは道を通りかかった上級生ふたりにイモを投げつけた。

この時は驚きと何となく嫌な予感がして心臓がバクバクしたのを覚えている。
上級生達は何か叫びながら走って行った。
「勝った」そいつは嬉しそうに叫んでる。
いや、これはまずいんじゅないか?というのが私と他のメンバーの共通認識であった。

案の定、仲間を引き連れて上級生が戻ってきた。
ヤバい上級生達は危険を考えず投石してきたのだ。
逃げまわりながらも応戦する。
イモと石が入り乱れての危険な戦場と化すのに時間はかからなかった。

この時
横にいた友人の頭にイモが爆裂して砕け散った。
そばで不思議なくらいゆっくりとスローモーションのように当たって砕け散るイモをみた時
恐怖と興奮の入り交じった不思議な感覚を覚え、その後は皆で狂ったように応戦した。

上級生は、どこかも持ってくんだよと突っ込みたくなるような大きな石を投げ
トタン屋根の基地はあっけなく破壊された。

仲間はヤバいと感じたのか、バラバラになってあっちこっちに逃げ出した。
自分も身の危険を感じで何も考えずに走り続けた。
基地のすぐ横に自分の家があり、中に避難すればなんてことなかったのに気が動転していたのだろう。

坂を走っている時に降りかえるとヒットマンがすごい形相で何か叫びながら追ってくる。
目の前に生協があり、飛び込んで隠れているといつのまにかヒットマンの姿はなかった。
「助かった」っていうか、今思えば捕まっていたらどうなっていたの?という感じ

翌日、学校で仲間の無事をお互いに確認し安堵する。
その後、廊下で敵の上級生に睨まれる事はあったが、いじめられたり拉致されたりする事はなかった。

きっかけはただの遊びだったのがいつの間にか本気モードの戦闘開始となった笑えない話しである。